2012/04/05

バリ 朝の風景

展示会前、作業に没頭しながら頭の中のある風景をずっと感じていました。

この仕事を始める前、友人と二人で服飾小物の小さなメーカー?をしていました。
はじめこそ自分達でミシン踏み踏みやっていたのですが、友人のバリ旅行をきっかけに
生産をバリですることになりました。
半年に一回くらい、長男と時には家族でバリに行く事になり、次男が産まれてしばらくするまでそれは続きました。

バリというのはとても不思議な場所だと思います。
神々の島、バリ。不思議なことも山ほどあり、イスラム圏の中にヒンズー教が色濃く残る場所でもあり。大きな自然霊と神様とブラックマジックとホワイトマジック。日常に常に祈りが存在する島。朝になれば笹の葉で作られたお皿にお花と黄色い米粒のチャナンが祭壇に家の前に道路に供えられ、そして夕方にはそのまま打ち捨てられたそれらが又自然に戻っていく。霊的な物と凄く現実的でそして陽気でおだやかな何かが混在し、なんか生きているだけでいいじゃないか?って気持ちにさせて貰えました。
バリに行って転機を迎える人も多いと聞きます。
今思うと私はバリにいつも0に戻して貰ってました。

何も引かない、何も足さない。

残念ながらバリでの日々は生地屋、パーツ屋、あちこちの工場廻りと何でこんな場所でこんなに働くんだ日本人てな感じでしたが、それでもその合間合間に圧倒的な開放感を感じていました。レギャンビーチのすぐ前に“blue ocean hotel"というコテージがありそこにいつも滞在しており、そこで過ごした時が他のどんな場所よりも私の思い出の風景になっています。

朝はいつも、鳥の鳴き声とフランジパニ(プルメリア)の甘い匂いで目が覚めます。
外に出てゲートの前まで来ると朝の掃除を始めてるニョマンやカトゥ達が"スラマッパギー!”と声をかけてくれます。
私たちはその声に気持ちよく返事してビーチ前のカフェに朝食を食べにいきます。

のんびりした朝。波の音に混じって増えてくるバイクの”プロロロロ〜”という響き、
生温いオレンジジュース、少し苦くざらついたバリコピ。
バナナパンケーキを食べているとどこからか犬がやってきて、我が家はここよとばかりに
椅子の下でゆったりと寝そべる。
そんな彼等に朝ご飯をおすそわけしながら椅子に深く身を沈めて、時には砂まじりの足を胸前まで抱え込んで ただぼーーっと波を見ていました。

そうしてバリの朝がゆっくりと始まるのを眺めていました。ビーチボーイが用意するパラソル。段々とほうきで清めていかれる砂浜。波打ち際をゆっくりと横切る人達。走りまわる犬、犬、犬。時には目の前を駆け抜けていく美しい馬。
ペディキュアを塗ったりマッサージをするおばちゃんたちも今はまだ同業者と共に浜辺に座りおしゃべりに高じています。

だんだんと行き交う人やバイクやざわめきが大きくなって、朝の日差しが強くなって
仕事の段取りが頭の中を廻りだして。。そして素敵な朝の一時にしばしお別れ。。



そんな朝の風景が甘く暖かい思いとともに私の中に帰ってきて
製作の時を助けて貰っていました。

ああ、久しぶりにバリにいきたいな。