2012/04/18

根付く

今年の春の庭はちょっとちがう。

ここに引っ越してきて丸二年が経とうとしてる。
それまではマンションのベランダで色んな種類の木を植木鉢で育てていた。
一年に一回くらい、成長に合わせて鉢替えしてきたのだけど、中には大きすぎて重すぎて
このままベランダでどうやって育てていくんだろうという木もあった中
念願かなって庭付きの一戸建てに住むことになった。

引っ越してまずはじめにした事。

植木鉢の木を全部地植えにしてあげること。

田舎や旅行に行く度に鉢を全部風呂場に入れて薄く水を張り鉢底から水を吸い上げることができるよう工夫し、入りきらない植物達にはせめて雨が降り注ぎますようにと念をかけ。。それでも残念ながら枯らしてしまった植物がいっぱいある。
そして、そうでなくてもずぼらな私はしょっちゅう水やりを忘れていた。

念願の地植えにしても、ちょっとやそっとで根付くものではないと気づいた一年目の春。
かえって植木鉢時代より元気じゃなくなった植物もあったし、箕面の寒い冬に枯れてしまった木達もある。
ひよわなキンモクセイは花こそ付けたのだがなんだか匂いも弱々しく”おーーーい”って声かけてもかすかな返事が聞こえるばかり。。でもなんだかとても頑張っている感じだけはしていた。

二年目の春が来た。
そして今年の春はちょっと違う。

庭に降りてみると、まずキンモクセイの木の新芽が色んな所から飛び出してきているを見つけた。あんなに弱く見えていたコが、この土地にしっかり根付きだした!

山吹の黄色が元気よく咲き出した。

種から育てていたびわの木が気がつけば次男の背を追い越していた。

強制的に根元で切られてしまったのうぜんかずらの幹にいくつもの芽がのぞいている。

オリーブの木達はますますたくましく今年もきっとたくさんの実をつけてくれるだろう。



人のエネルギーがその土地に馴染み、エネルギーが変わっていくのにおよそ二年掛かると聞いたことがある。海外に移り住んだ友人家族は二年後には雰囲気がすっかり変わって
なんだか日本人離れしていた。

ちゃんと根付くには年月がかかる。
改めて自然に教えられる嬉しい春。

ちゃんと根付くには年月がかかる。
子供の目の輝きに、すっかり伸びた背に、ちょっとませた物言いに。
改めて確認する嬉しい春。