2012/09/28

indra's fish net

先日の展示会の時に作成しましたbest、お客様の元に旅立っていきました。
このベストにちょっとしたアレンジを加える為にお店に伺ったはずが、オーナーさんと少し話し込むことになった3、40分の間にいらっしゃったお客様がご購入くださいました。別室に持ち込んでいたり、受け取ってすぐに帰っていたらこのベストを見られる事もましてやご購入することもなかったはず、、と思うと物と人の縁を感じずにはいられません。

展示会時にいつもそのときのテーマを一番表す物を作ります。
それは革絵であったり、ランプであったり、バッグであったり。。
で、今回はベスト。着て飾って楽しめるようにとお店の方達といっしょにわいわい楽しみながら作り込んでいきました。

せっかくなんでこのベストのお話を今日はお書きしますね。

題名は  Indra's  fish net(インドラの網)

華厳経の中に書かれてある インドラ(帝釈天ーヒンドゥー経の中の神様の一人です)の宮殿に掛かる 宇宙を現す網のことです。

私のつたない文章では上手く書けないと思いますので他のところから少し引用させて頂きますね。


慈悲とはすなわち、あらゆる人、あらゆるものが、己れ以外の人やものの反映にすぎないということを認めることです。『華厳経』という古い仏典にはこう書かれています。宇宙とは無限の網であり、ヒンドゥー教の神インドラ(帝釈天)の意思によって生じた。この無限の網のすべての網の目に、何面にも分割されて美しく磨きあげられた宝石がぶら下がっている。その一面一面に他の宝石のすべての面が同じように映っている。網も宝石も、宝石の各面も無限なのだから、それらを反映した像もまた無限である。宝石の中のどれかひとつに変化が生じると、他の宝石もすべて変化してしまう。

一即多、多即一

それぞれの中に全てがあり、全ての中にそれぞれがある



はじめてこのインドラの網のことを知ったとき、その文章を読んだ瞬間に頭の中に深遠な宇宙の風景が広がって胸がいっぱいになりました。
この感じをどうやって表現しよう、どんな形で表現しようと考えながらの半年余りは頭の引き出しの一つを引っぱりだすとこの無限の輝きの世界が瞬時に広がるような気がしてとても嬉しかったです。

例えば、供物を入れる様な漆黒の革箱を作ろうか。蓋を開けると真っ白な革に縫い取られた大小さまざまな鏡。真ん中にはキャンドルスタンド。。

広げていると大きなサークル状の敷物の様なんだけど,実は輝くポンチョに変身したり(派手!!)するのなんかどうだろう?とか。。

とても素敵なグレーの革を見つけ、マドリガルさんとのお話あいの中でベストになり。。
展示会時に、お客様に試着をお楽しみ頂いた時は、一歩進むごとに光が鏡に反射してもの凄く美しかった!

そしてこのインドラの網はとても深い意味をもちますよね。私自身も、そして人々も又それぞれの宝珠なんだと気づかされ、それぞれの宝珠(すなわち自分自身)を輝かせることが、他の全ての宝珠がますます輝きを放つというか。。
反対に多くの宝珠の輝きを反射しながら、自分が輝かせてもらってるというか。。


また、違う形で作りたいテーマの一つです。


話は変わって朝日。
秋の空気を感じだしたと共に日の出の位置も刻々と変わり、今は寝室のお布団の丁度真ん前で登って来ます。

澄んだ空気。
色々な鳥達のさえずり。
遠くで吠える犬。
動き出した車の音。

そんなこんなが日の出の世界にあって、このひと時を感じれるって贅沢な一時ですね。
そして、この太陽の光。思えば誰でも受け取れる自然界最大の光ですね。


皆様、今日も素敵な一日を!


そしてお客様、ご購入くださり本当に有り難うございました。
お客様のお部屋にインドラの網が掛かっていることを着て見て、お楽しみくださいね。