2012/02/23

文字のない手紙

先日、お修理品が届きました。
それは、確か3、4年前に作ったもの。

展示会でお会いする以外はお客様との接点もあまりなくって
時々、自分の作った物がどんな方の元に旅だっていったのかな?って
思うことあります。
シルバーのピアス部分の不具合で戻ってきたそれを見て
とても丁寧に使って下さっているのに
なんか胸がいっぱいになりました。

ディアスキンの革は年月を経た風合いになって革という素材の素晴らしさをまた
あらためて感じ、ほころびていない縫い目に安心して、我ながら”うん、良い仕事!”(笑)
なんて思ったりします。

お修理品を直すときに
文字のない手紙を書いている気分です。

大事に使ってくれてありがとうございます。
久しぶりに会えてうれしかったです。
これからもよろしくお願いします。


そう思いながら、こばを優しく手入れしたり、鈍く光る真鍮やシルバーパーツを年を経た
色合いを損なわない程度に磨いてみたりします。


それが私のお客さまへの手紙です。