2012/05/09

経年の美

先日、4年前にオーダー頂いたお財布バッグがスナップの交換のためにしばし里帰りしてきました。
このお財布バッグは現在のようにまだ型や素材が定まっていないときの物でしたので、ショルダーストラップの部分がネックレスになっています。

最初のシーズンで最初のオーダー財布。おまけにはじめて“革絵”を購入して頂いた方。私にとってはとても印象深い方でもあります。
戻ってきたお財布は。。。。美しかったです。
いえ、お財布の柄が美しいんじゃなくて、本当に大事に御使用して下さっていることがわかる全体の美しさです。縫い目はどこもほころんでいませんでした。革のパーツやコバは経年による丸みを持ち、挟み込んだ生地の色は落ち着いて。。
お財布は本当に日常に使うものだし、一日に何回開け閉めするんでしょう?
特にこのお財布バッグはバッグの中にしのばせる財布じゃないので当然経年劣化はまぬがれません。でも、時々戻ってくるお財布達の、そしていろんな物の使用された美しさを見るたびに、”ああ。作っててよかったなー”と感謝、感謝の気持ちになります。

スナップを取り替えて、こばを磨いて内面の革の汚れを拭き、ほつれかけている縫い目を少し補強して。。。手に当たる部分の生地がどうしてもすり切れるので、生地のスムーズな差し替えや補強は今後の課題です。
一度してみたい事は10年くらい経った生地や縫い目がだいぶくたびれてしまったであろう物を全て解体してまた新たな生地をはさみ込み再び組み直すことです。

10年物のお財布バッグってどんなんだろう?  見てみたいです。

お客様、又お会いできることをとても楽しみにしています。