2013/09/27

特等席

たった数日の間にすっかり空気は変わって日差しこそまだまだ強いものの風は冷たく仄かに秋の香り?が漂ってくる朝です。

さてさて、先日の樹は残念ながら今週の月曜日に切られてしまいました。
集まってくる人たちは何故か60代の男性ばかりで、男性の方がロマンチストなのかな。とか何となく自分に重ねているのかなとか考えながらもやっぱり涙、涙で伐採作業を見ている時もあり。
実はここの樹は4本の樹が重なりあって育っていてその中から秋ニレの樹の枝の一部と栴檀の実と切り株を頂きました。そうやって名残惜しむ人達に切り株やら枝やらを作業員さん達がせっせと切り分けていて、なんかそれを見ているうちにすごく不思議な気持ちになりました。
本当にさっきまで元気良く枝葉を揺らしていた樹木達。一番太い樹はやはり100歳位だったらしいです。その昔宿場町だった頃馬車が行き交っていたり袴姿の人と洋服姿の人が街を闊歩する風景、川べりで遊ぶ子供達、周囲はどんぐり林だったので周りの様々な樹木や草花達、そしてドンドン切り倒されていく樹、増えていく家々、車。反対に減っていく子供達。そんな風景を戦火を逃れ見つめ続けていたんでしょうね。
そして切られた時はそんなこんなの風景も一瞬のウチになくなり、あっという間に今が思い出となってさっきまで立っていたその姿さえ薄ぼんやりとした景色となって脳裏や写真の中にしか存在しなくなって。。
我が家の家具の中で一枚板の楠のテーブルとドッシリとした松の木の棚があるのですが、あらためてそれらの樹達が育ってきた長い年月をも思って、もしかしたらこの樹達も切られる時に誰かが悲しんだかもしれないなーなんて、久々に磨いてみる自分がいました。
全く単純です笑

製作が落ちついたら頂いた樹の一部で秋の夜長の手慰みに何か作ろうかななんて思ってます。

昨日、その切り株に腰掛けて川を見ていました。センダンは強いから多分切り株の脇からも生えてくるらしく、それも見越して切り株さえも深い切れ目を入れられるらしいです。
骨の髄まで。。と思いましたが束の間この切り株に座って樹が見てきた風景をみました。川が澄み切った青空を映し出していて美しかった。

そして切り株はどっしりと暖かくとても落ち着きました。