2014/01/08

エスニックなお誘い

今年初めのブログを誤って削除してしまったので、突然だけど今年はこんなブログから。。伏線がないのでびっくりするかもしれませんが今年の旅はここから始まります。

中学時代、同級生と入り浸ってたのは大中。
今はどこかにあるのかな?中国製品のオンパレードの店だった。今のような何でもかんでも中国製って感じじゃなく、明らかに中国製の雑さやpopさを兼ね備えた雑貨店。現在4?代の女性は大なり小なりananやolive を見て読んでその中のおフランスな世界に憧れていたと思うのだけどその双璧をなすのが中国雑貨で、実際にはキッチュでポップでちょっと摩訶不思議な物達を愛で楽しんでたと思う。
同時に、ハリウッドランチマーケットの服や雑貨を置いている店も近くにあり、アメリカ製のキッチンクロスなんかでパッチワークされた服を見てその素敵さに憧れていたような気がする。
そうそう、今日はエスニックな思い出限定で。。
その時は毎日のように中学の横の図書館に通い色んな本を借りたり読んだりしてた。
中国雑貨大百科っていう本が大好きで紙面に繰り広げられる鮮やかでなんかへんてこりんな雑貨の世界とカンフー映画(それもブームだったな)に出てくる様な人達、食べ物。日本とまるで違う雰囲気に夢中になってた。と、同時に舞台芸術家の妹尾河童さんが精密に描かれたインドの本。河童の覗いたインドで衝撃を受け、、、まだまだ実際に外の世界には行けないものの本の中から世界への視野が拡っていった。また平安時代に夢中になって枕草子や源氏物語の艶やかな世界を堪能し十二単や焚きしめる香の香りを想像してウットリしてたような気がする。
もちろん、そんな事なんかほんの少しでいかにもーな中学時代を送っていた筈なんだけど常に出てくる思い出の風景としてしっかり刻まれている。

美術高校生になって生意気に色んなアーティストや芸術家の作品に感化されると思いきや、ライブライブライブ。。。バイトとLIVEに行きまくった事しか余り覚えていない。
その中でも旧友といつも行っていた中津カンテ、谷九のカナディアン、そしてたまにいく難波のナンディ。。インドのチャイの世界にどっぷりはまっていったのかな。
そこでかかっている全く訳の分からない気の抜けた音のインド音楽を聴いて、ミラー刺繍の布やアルミで出来たカラフルな雑貨、割れやすい土の器が積み上げられ鼻に付くジャスミンお香の香り漂う洞窟の様なお店にずっとだらだらと溜まっていた。今はもうない中津カンテGのあの地下の部分にもう一度行ってみたいな。。

高校を卒業して刺繍会社に務めた事もあり、色んな刺繍やクチュールの世界を垣間見ることになった。インドで作られた金モール刺繍のエンブレムやバッジ、銀糸や金糸で縫い取られたそれらは手のひらにズッシリと重く一つで充分な存在感があった。中国の汕頭刺繍のハンカチの繊細な美しさ。カゲロウの羽のような薄い生地に同じ白色で繊細に刺繍されたレースや花柄が今書いている私の手元に蘇り楽しませてくれてる。

思い出の中には今の仕事の原点になるような事ばかり。それともこの仕事をしてるからこそそんなこんなを思い出すのか、まあどっちでもいいのだけれど40を過ぎて自分の仕事の方向が一旦壁に手を付いて戻って来てるような気がする。ka wa'e は突然始めそれがありがたい事に仕事になっているけど、思えば全てに伏線が張られていたのかなと、何でもこじつけがりやの私は思うのである。そしてberber のラインを始めるにあたりもう一度新鮮な気持ちでしばらくの間これらの思い出を紐解いていきたい。
これは自分なりのエスニックな旅なんだと思う。




エスニックとは
民族特有の、民族的な、異国の、風変わりな、という意味の形容詞。

写真は17年程前にマサイ族にインスピレーションを受けて作ったアクセサリー。
そして最近見つけて一目惚れした本。100年前にはちゃんと日常の中に存在していた民族特有の文化や衣装がこれ以上なくなって欲しくないな。。
この本に載っている人たちのそれぞれの装いの素晴らしさ。何よりも目力の強さにどきっとする。