本当は展示会の余韻も含め今シーズンの製作にまつわる事を書こうかなと思っていたんですが今日はちょっと脱線。というか、書かずにはいられない映画を見てきました。
ビフォア サンライズという映画を知っていますか?
若い男女がヨーロッパを走る長距離列車の中で恋に落ちウイーンでの一夜を過ごし、そして続編のビフォアサンセットでは9年後に再びフランスで出会う男女の夕暮れまでの一日を描いた映画です。
恋愛映画の金字塔とも言われるこのシリーズが大好きで繰り返し見た映画でもありますが
その最終章が公開することを知ったのは展示会製作の真っ只中。半ば諦めていたその映画を今日最終上映で見ることが出来ました。で、1人で見に行ったものだからもう感想を誰かに言いたくって堪らない!なので強引に読んで頂きますよ。
いずれDVD化もされるし何よりこの映画を追いかけてないと内容がわからない事も多いので割愛させて頂きますが、三編共映画の中で絶え間無く続く会話にグッときます。初編では知らない者同士が急速に惹かれ会い一夜の間にお互いの事を知りたいもしくは知って貰いたい、何より男と女として心と体を通わせたいというもどかしさとと初々しいしさが全編に溢れていて、続編では舞台はフランスに移り再び出会う男女(どうやって出会うかは内緒です)の夕方までのひと時が再びウイット溢れる会話で綴られ男女の揺れ動く気持ちと思わず出る本音に!!うまいなんて呟いたり。何より2編ともすっごくロマンチックなんです。
だから最終章と言われる今回はどんなロマンチックな展開、会話を楽しめるんだろう。と情報をあえて入れずに見に行きました。
正直、凄くリアルな映画でびっくりしました。そして彼らの会話の数々が私たち夫婦、いえ多くの年月を重ねた夫婦が日々発している言葉、会話に余りにも似ていて自分達の夫婦喧嘩を傍から眺めているような不思議な既視感がありました。
全世界共通で男はどこまでも男。そして女はどこまでも女なんですね。感情、理性、行動全てが本当に酷似しています。
喧嘩をすると女はすぐに感情的になるといわれますが、この映画の中でそれを代弁するかのような下りがあり、胸のすく思いをしました。ああ!旦那さんと一緒に見たかったわ。
それと喧嘩が始まるシーンの唐突さが余りにもリアルな展開で。。もう、あるある!!て思わずうなづいてしまうその衝動、続く行動。ユーモアを感じる演出に思わず笑ってしまいました。
恋から始まる男女関係がやがて愛になりその愛の中で現実的な仕事や子供の事、そして老いや死が重なってきて日常が決して綺麗事では済まされない事の連続となり愛があるゆえの葛藤、男と女として、そして父と母として。理想と現実が少し折り合わなく、折り合わない事に諦めきれない年代の心の揺れを本当によく描き出しています。ジュリーデルピーって相当勝気で賢い女性なんですが今回もヒステリック寸前のリアルな演技が秀逸です。もちろんそれを受けて立つというか、男性特有のロマンチックなオブラートに包まれた真実味溢れるイーサンホークのかわし方も見事です。
ジュリーデルピー、イーサンホークの中年カップル。なんて素敵なんでしょ。又9年後の続編を期待します。 Before midnight