2014/08/11

アートとはなんぞや?

今日は少しはみ出したお話を。。

先週4年ぶりに家族で旦那さんの故郷に帰りました。
毎年この時期に展示会製作が重なるので息子達だけの帰郷が続いたのですが、今年は念願かなって家族そろって帰郷することが出来ました。
台風の前だったからか空気が流れず北陸の夏としてはいささか重苦しく暑くもあったのですが、久々に見るパノラマの白山はやはり素晴らしく美しく私達を迎えてくれました。
あー、、この風景はいつ見ても素晴らしいです。

そして石川県といえば必ず行かねばならないのはどこ?
温泉?うん、それは最高!
近江町市場!そこも行かねば!

いえいえ、私達夫婦には外せないのが 金沢21世紀美術館です。
この美術館は常設の作品の素晴らしさ、建築のユニークさ、作品の見せ方の美しさと三拍子、四拍子も兼ね備えているのですが何よりアートキュレーションがいい!帰郷する度に必ずいくのですが、その時その時の企画展がとてもおもしろく、老若男女、アート???って何?と思う人まで楽しめる仕掛けを作ってくれています。

今回のおめあては レアンドロ・エルリッヒー      ありきたりの?

彼はこの美術館の目玉、スイミングプールの作者です。スイミングプールの中から見る世界を初めてみた時は、その発想とともに作品の美しさに心を打たれたのですが、10年経った今も変わらず多くの人を魅了しているようです。

その彼の大規模展覧会。前知識なしで見てきました。
一言。すごく面白かったです。
ユーモラスな面白さと大胆な発想と作品としての魅力。評論家でしたらもっと的確な言葉で伝えてくれるんでしょうが、残念ながら私は素人なのでいささか伝わりにくいかなと思いますが、
体験型アートの代表選手ですね!この方は。
わかる、わからないなんて全く関係なく!!や??、そして。。。などの見た人の感覚や疑問を刺激する。そしてその感覚や疑問をうっすらと自分に貼り付けたまま日常に戻っていった時に普段目にしている物全てが愛すべきアートになるような。そんな作品達でした。
スケールが大きくって少しシニカルでクスッと笑ってしまう。
そしてこの美術館にぴったりなシンプルな美しさを兼ね備えています。
この人の目は球体のレンズの様に見開かれていて内に外に感覚を広げているんなと思いました。
そしてちゃんとそれら対象物を愛しているようなそんな感じ!鑑賞者を撥ね付けるのじゃなく抱きかかえてくれる様な包容力も持ち合わせています。

見に来られていたおじさま、おばさま達が話していた言葉が耳に入りました。
もう大きな何かわからないものを次から次へと見た感じでちっとも理解出来なくて頭痛くなってきた。。みたいな会話。

それっていいな。と思います。わからないものを理解する時って普段使わない部分をフル回転させたり、錆び付いたネジを緩めたり。。頭の筋トレになるし、
何より、わからなくってもいいんじゃない?だからこそわかりたいなとか、わからないけど気になるな。とか思うものだから。。


(これが面白い仕掛けになってます)



私も小さいながらも1人の表現者としてすごく励まされました。

そしてもう一つ企画展。コレクション展   透過と反射

これが本当によかったです。
見て触れてついでに舐めたい!みたいな美しく私好みの磨きこまれた(文字通りピカピカの)作品が多く、うっとりしました。思わず近づきすぎて注意されてばかりのダメ鑑賞者になってしまいました。
この企画展もキュレーターのセンスが光っていて、アートって作者、選別者、そして鑑賞者の三位一体で成り立つんだなと変に感心してしまいました。

他の展示物もいい物ばかりで全部説明したい位ですが
何はともあれ、百聞は一見にしかず。
もし今夏、北陸方面に旅行にいかれましたら是非この素敵な美術館を訪れてくださいね。

あーー、アートっていいな。