2015/03/07

Tapestory of your story 4 御来展ありがとうございました

先週、春の展示会無事終わりました。ご来店くださいました方、気にかけてくださってメールやお電話くださいました方。そして美味しいもの!持ってきてくださいました方々
本当にありがとうございました。
半期に一度たった三日間しか開催せずおまけに週末限定なのでなかなかお会いできない方も多いのですが、そんな中でも遠方からご連絡を頂いたりお心遣いを感じる日々でもありました。
今シーズンはテキスタイルものとカワエを満遍なく製作した為かいつもよりほんの少し
スローなスタートだったせいか(まとまるのが遅かった。。)なかなかの重労働で笑
展示会後は長く睡魔が来ていました。まあ、もっともこの停滞する低気圧のせいかもしれませんが。。そしてやっと今日ぼちぼち片付けと事務的なことを始めています。

今回インスタグラムの方でお知らせしていたせいか、ご来店頂いた多くのお客さまが以前のカワエ製品やオーダー製品を身につけて来てくださいました。
お渡した時点で私の手から離れお客様の物になっていくことにうれしく感じることこそあれ執着心は全くありませんが、こうやって折に触れ見せていただくとお渡しした時のまっさらな状態とは全く違う年月を経たことによる日焼けや色の変化、形も少し変化していたり擦れなどもある状態。そんなこんながとても美しく革製品の醍醐味を感じさせてもらえます。納品時には写真を一枚も取っていなかったものや、たまに”あれ、ほんまのところ気に入ってもらえたんやろか。。”なんて気にしていた物も少なからずあり、今回その物にも再び会えたりして、そしてお客様といろいろ楽しくお話し出来たりして本当に嬉しかったです。心持ち、ゆったりな展示会だったからこそ深くいろいろなお話も伺えて、展示会のテーマってやっぱり反映するものだなーとしみじみ思い出している今日です。

この展示会にあたり本当に何回も読んでボロボロになっている本を再び引っ張りだしてきて読んでいました。一冊はポール オースターの ナショナルストーリープロジェクト
この本は小説家ポール・オースターがDJのラジオ番組で全米のありとあらゆる聴者から
頂いた手紙を週に何編か読み上げるという番組だったそうです。そしてその人自身に本当に起こった出来事をその人の筆で綴られた手紙が紹介された番組内容が後日ありのままに編纂されて出版されました。
アメリカ国内の様々な地域、国籍、年代、そして思想を超えて綴られる物語には悲しみや喜び、ユーモアや衝撃、戦争やアウシュビッツの捕虜時代などの過酷な状況、そして時には犯罪者から届くなぜ犯罪に至ったかを克明に書かれた重い内容に出会う本です。
何より愛情が沢山詰まった本です。

そしてもう一冊はリプレイ。こちらはSF小説で主人公はある年齢で突然亡くなり、前世の記憶を持ったまま前世と同じ環境の大学生時代に再び生まれ変わります。当然の如く時代の流れを知っている主人公は記憶を元にお金儲けを始め名声、地位を手にし、そして前世とまた同じ年令で亡くなり。。何回も何回も同じループを生きる中で(それもたった一人だけそんな状況で)主人公の選ぶ人生が変わっていきます。

少しネタバレになりますが、ある出来事をきっかけに彼自身の生が深く意味を持ち動き出します。その中でも失敗を繰り返し、傷つき学んでいくのです。
ある生でジャーナリストになった彼が宇宙飛行士にインタビューをする中で自分自身への探求も始めていき覚っていきます。いろいろな印象的な場面が多い中でこの件はとても好きな部分です。
全編をとおして勢いがあり娯楽性も兼ねつつ、深い意味合いを持つ本当に素晴らしい小説だなと思います。

時々ふと、こんなに広い世界の中でこんなにたくさんの人が一人として同じ人生を歩んでないことにびっくりすることがあります。
そしてただすれ違う人や電車の中で隣合わせになった人にも私と全く違う世界があるのだなと急に深く感じる時があります。
地域や国規模の大きな出来事の中でもそれに対する人生の関わり方が本当に誰一人として同じでなく、それに対する個人の選択の一つ一つに正負なく、ただそれらが時には浅く時には深く関わり合うことに深遠な気持ちにさせられます。(だからか群像劇がたまらなく好きです)

いつのころからか、カワエのオーダー会でも様々なお話を聞かせていただくことが増えました。
お仕事でよく旅をされる方、再びお勉強を始められる方、子育ての中でとても素敵な御本を出された方。楽しいコトや嬉しいこと、時には深いお話。。思い出の場所や、大好きな気持ち。。  あ!!これ、今録音したいです!なんて笑ってのお話だったり。

今回、このオーダースタイルの不思議さと責任の重大さに気づいてテーマに持ってきたのですが、終わって改めてやってよかったな。と思いました。
そして新たな気持でまた製作を始めようと思っている今日です。

お話お聞かせ頂いて、そしてオーダー頂きまして本当に有難うございました。気持ちは深く、でも軽やかに進んでいきますのでどうかまたオーダースケッチを楽しみにお待ちくださいね。

せっかくなので展示会の写真を一部。。
インスタグラムでもアーカイブや日々の出来事も綴っていますのでまたご覧になっていただけると嬉しいです。kawaeleather

ああ、今日は長い文章!ご拝読ありがとうございました。




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